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ベッドに入って1時間が過ぎても
睡魔がやって来ない。



原因は2つある。
昨日私のものになった小説を
調子に乗って寝る前に開いてしまった挙句、
英語版の原作まで引っ張り出してきて
読み比べなんかしてしまったことと、

風邪が悪化して咳が止まらないことだ。



特に前者のために、
私の脳の中をアドレナリンが駆けずり回っている気がする。
寝る前に小説本を読んではいけないのだ。
特に体調が悪い時には。
寝る間を惜しんで本を読んだ子供時代
身をもって知った筈の教訓を、
今更噛み締める。




観念して、
ベッドに横になったまま、頭の中で今日の予定を組み直す。
時計は4時半ちょっと前を指している。
きっと13時頃には睡魔がやってくるだろう。
それまでに、ブラックコーヒーでも飲みながら
翻訳やらレポートやら、課題を片付けてしまえばいい。
ついでに洗濯もしてしまおう。




毛布を跳ね除けて、
階下へ向かう。
リビングで鳩時計のハトが一鳴きするのが聞こえる。
四時半。


コーヒーを淹れる為にキッチンで湯を沸かしていると、
自分が空腹なのに気づく。
コンロにかかっている鍋の蓋を開けてみる。
中身はカレーだ。


私は高校生の頃からカレーが嫌いになった。
野菜の奇麗な色や独特の食感を
茶色い流動体で包み込んで消してしまったあの食べ物が嫌いだ。
色々な食材の栄養を溶かし込んでいるように見せかけて
塩分ばかりが多いあの食べ物が嫌いだ。


蓋を閉じる。
いつものようにスープでも作ろう。



挽いたコーヒー豆に熱湯を注ぎ込んで膨らませた後、
冷蔵庫の野菜室を開ける。
キャベツ。人参。ナス。いんげんまめ。
トマトとツナ缶もある。
適当に切ってコンソメで煮れば、悪くはないものができる。



思ったより熱いコーヒーに咳き込みながらも
手近にあったレーズンパンをもそもそ食べ、
野菜を刻む。


鍋に入れて
野菜がくたくたになるまで煮込みながら、
コーヒーを飲んで考える。




留学から帰ってきたら、
将来どうやって稼ぐのか本気で考えなくちゃならない。
沢山の友人が難題にぶつかりながら必死で考えているところを、
私はモラトリアムを一年延ばして海外に出るのだ。


また一年出遅れる、という一抹の不安と、
彼らと私は別だ、私は私のやり方で生きているんだから、
という自分を奮い立たせる気持ちの間を、
毎日行ったり来たりする。


やってみなければ分からない。
しかし、やってみたところで一体何が分かるのだろう?
それすらも、やってみなければ分からないのだろうか?


私が中東という「素材」を「調理」して
食べやすい形で母国に持ち帰るとして、

私はそこでカレーのルーを使ってしまわないだろうか。
何もかも思い通りに覆い隠すようなやり方で、
中東を「調理」してしまいやしないだろうか。

そもそも適切な「調理」って何だ。
コンソメだったらいいのか。
それだって、苦手な人は居るだろう。
多くの子供が愛するカレーを私が嫌うのと同じように。
それは斬り捨てるのか。











それにしても、

と、出来上がったスープを食べながら思う。








パレスチナにコンソメとツナ缶は無いだろうなぁ。















という訳で、伊織ちゃんに影響されて
今日だけ小説仕立てでした。
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